【優勝】茅原悠紀(4418・岡山)「G2江戸川634杯・モーターボート大賞」は、強風高波浪による前日の順延を経て、31日(木)に仕切り直しの優勝戦が行われた。午後に入ると南寄りの「追い風」が強まり、5R以降は安定板が装着されたが、その水面と同様、配当的にも荒れ模様に。V戦の前に行われた選抜戦も、1枠勢(10R赤岩善生・11R湯川浩司)がともに破れ、不穏な雰囲気が漂う中、ファイナルの優勝戦を迎えた。
レースの方は、土屋智則(2号艇)がコンマ08のトップSと絶妙な飛び出し。それに対し、圧倒的な1番人気に支持された茅原悠紀(1号艇)はコンマ23と完全な立ち遅れ…。土屋が自動捲りの形となったが、強い追い風の影響もありターンが流れた。
そのため、ジカマークとなる井口佳典(3号艇)に絶好の展開となったが、ここで出遅れた茅原が、井口の差し場をブロックして立て直しに出た。1Mでボートがグイっと前へ向き、波立つバック線を死に物狂いで伏せ込むと、先行していた土屋を捉え切り2M先取りに成功。土屋の艇がやや煽られ気味になったこともあり、2Mを回り切った時点で茅原のVがほぼ確定。
スタートの時点では顔が青ざめたであろう本命党のファンが、ホッと胸を撫で下ろす“薄氷もの”の勝利だった。
2着にはそのまま土屋が入線。前検不合格で欠場となった山崎智也の代理で出場した初日の「ドリームレーサー賞」を制し、その後は大崩れなく着をまとめ好調の流れに乗っていたが、あと一歩のところで勝利の女神が微笑まなかった。
外をツケ回った安達裕樹(5号艇)が、最内を差した池永太(6号艇)を2Mで捌いて3着。初日から出足快調だった安達だが、節間を通して好状態をキープ。この3着は大きく、7月のSGオーシャンカップ(鳴門)出場へ大きく前進した。
さて、優勝した茅原だが、「1Mで井口さんに当たってしまったし、レース的には0点」と反省しきり。「自分はG1とかの優勝戦で、(楽に)逃げて優勝したことがない。そこでしっかり勝ち切れないと本当の一流にはなれない」と、敗者の弁?とも思えるコメントの連発だった。
しかし、「どんな態勢になっても諦めないようにと思って走れた」結果がVに繋がり、優勝戦1号艇の責務を果たせたことで、ホッとした表情も浮かべていた茅原。勿論、今年も目指すは年末のグランプリ出場、そして2度目の金冠奪取だ。
そして、「自分ではそんなに得意とは思っていない」と自嘲気味に話す江戸川の水面だが、これで3連続V。通算でも7節走って4V、優勝戦に進出した時のV率は“100%”と無敵の強さを誇る。驚異的なボディーバランスと、気持ちの強さで波を切り裂く乗りっぷりは見事の一言。次回の当地参戦も実に楽しみだ! |