【優勝】作間 章(3966・東京)5日間の得点率制で争われた「第46回スポーツニッポン杯」は、節間を通して水面コンディションに恵まれ、日程どおりの6月26日(土)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、V戦のポールポジションを勝ち獲ったのは、地元の作間章。3日目終了の次点で、ボーダー上の得点率6位タイだった作間は、4日目(予選最終日)を「連勝ゴール」で締め括って、一気にジャンプアップ。さらに、東京支部からは作間と同様に予選を「オール3連対」にまとめ上げた高橋勲もベスト6入りを決めた。
また、ボーダー下(7位以下)から「勝負駆け」を成功させたのは、平尾崇典&山本修一の岡山コンビだったが、初日の「江戸川選抜戦」を制した藤山雅弘とともに、井上一輝の大阪勢もファイナルに進出した。
そして迎えたV戦は、上げ潮が「60cm/s」と強かったものの、水面に優しいスタンド側からの東風だったため、絶好の水面コンディションの下でレース開始となった。なお、トップS(0.10)を決めてきたのは大外の井上だったが、他の5人も「0.15前後」のSTで、ほぼ横一線のスリット隊形となった。
その中で、スリット後に強力に出て行く艇はなかったが、捲りに出ると思われた高橋(3号艇)の内から藤山(2号艇)が、積極果敢に「ジカ捲り」を敢行。しかし、インの作間は冷静だった。ターンマーク際を絶妙な「小回り旋回」で凌ぐと、藤山の引き波に嵌ることなく、バック線の半ばで藤山とラップ状態に持ち込んだ。
そして、作間は続く2Mを内有利に先回り。一方、藤山はその2Mで差しから内々を突いた山本(4号艇)を抱いて回る形になったため、ロスなく回った作間が楽々と先行。ホームストレッチで後続との差を一気に広げた時点で、作間の「V」が確定的となった!
後続は、藤山が2周1Mで内を切り返した山本を外マイで悠々交わして2着。また、高橋(3号艇)と平尾(5号艇)が4・5番手を競っていたため、山本がそのまま3着に入った。
さて、予選を走り終えて、記者から「V戦1号艇」が確定した旨を伝えられた作間は「嘘でしょ?」と仰天していた。「初日の外枠で3着2本だったから、1号艇はないと思ってましたよ」と話していたが、その初日の時点では明らかに「平凡」だった気配が、尻上がりに上昇。調整に正解を出した作間は、ミスが生じにくい「実戦仕様」の舟足を引き出して、優勝を掴んだ。
なお、作間は2019年12月の「3支部ガチ対決シリーズ」以来、当地では約1年半ぶりの美酒。通算では「9回目」の江戸川制覇だが、優出回数は「31回」を数える。また、当地では「F」を乱発して苦しんだ時期もあったが、地元きっての「水面巧者」の一人。多彩な技を駆使して、舟券への貢献度もかなり高い。
さらに、今期はなかなかペースが上がってこなかった作間だが、今回の優勝は今後に向けても大きな弾みになるはず。「スタート」が苦手分野であることは今も昔も変わっていないが、それを補って余りある「調整手腕」+「捌く腕」を兼備しており、晴れて7月からは「A1級」に復帰する。当地伝統のお盆開催(大江戸賞8/16~)でも、看板選手の一人として活躍を期待したい! |