| 【優勝】吉田慎二郎(4228・愛知)ポイント制の6日間シリーズで争われた「第15回関東日刊紙ボートレース記者クラブ杯」。地元勢では、桑原将光が5日目の勝負駆けに失敗して優出漏れとなったが、若林将が安定感十分の走りで着をまとめ、優勝戦のポールポジション(1号艇)を獲得。
2・3枠には実力者の上平真二&室田泰史が並び、好枠をA1級3者が順当に占拠。ただ、ダッシュ枠(4~6号艇)の谷勝幸・吉田慎二郎・長谷川充(いずれもA2級)の方がパワー上位ということで、戦前から“波乱の匂い”が漂うファイナルバトルとなった。
なお、節間を通して航行船の往来こそ多かったが、予選の5日間は概ね良好なコンディションだった。ただ、最終日はそれまでの「向かい風」から「追い風」基調となり、風が弱く波こそ出なかったものの、「下げ潮」+順目の「向かい風」に慣れていた選手たちにとっては、スタートにやや気を遣う条件となった。
レースの方は、インの若林が「コンマ12」のトップスタートを決めたが、4カドからダッシュを利かせた谷がスリット後に伸びて行く…。そのまま、室田・上平を次々に飲み込んで行ったが、若林までを捲り切るには至らず、若林が先マイで応戦。そして、この両者が大きく流れるという“美味しすぎる展開”を逃さなかったのは、谷マークの5号艇・吉田だった!
吉田は、スピードの乗った「捲り差し」を突き刺し、バック線を疾風の如く駆け抜け、瞬く間にVが確定。デビュー通算「5回目」の優勝で、当地は初優出&初Vの快挙。鬼門だった江戸川克服を見事に成功した。
次位は、吉田に続いて捲り差した6号艇の長谷川と、2コースからの小差しで凌いだ上平がバック並走も、2Mで上平が流れしまい、今度はそこを差してきた若林と長谷川の争いに…。若林が前を走る長谷川を終始執拗に追ったが、長谷川が渋太いハンドルワークで粘り切り2着を死守。
その結果、2連単(5-6)が18,450円、3連単(5-6-1)は63,710円という“ビッグ配当”となり、大波乱の結末で6日間の幕が閉じた。
さて、勝った吉田は、2012年9月の尼崎(一般戦)以来、3年3ヶ月ぶりとなる久々の美酒。6枠からの勝負駆けとなった5日目の9Rをチルト1度の“一撃仕様”で臨み、結果は2着だったが豪快なカマシ攻勢でレースを作り、ファイナルへ進出。
前日のインタビューでは「4枠が一番いい。カドならチルト2度も考えて捲り勝負!」と話していたが、希望叶わずの5号艇に。しかし、結果的には「出足が良くて、舟の向きが抜群にいい」と言う“実戦型”の舟足が、伸び節イチの機関車役・谷によって引き出されたのだから、流れは完全に吉田に向いていた。
一方、絶好の1枠で勝利を逃した若林は、さぞかし無念だろう。それでも、今節は機歴的に下から数えた方が早い「30号機」を限界まで仕上げて、オール3連対でフィニッシュしたあたりはさすが。純地元の当地戦における安定感は図抜けている。この先の正月開催(1/2~の新春金盃)には、先輩の石渡鉄兵らとともに参戦。今からリベンジへの思いを燃やしているに違いない! |