【優勝】丸野一樹(4686・滋賀)5日間の得点率制で争われた2019年度のファーストシリーズ「外向発売所開設7周年記念・富士通フロンテック杯」は、4日目を予定していた4月5日(金)が強風高波浪のため中止順延となり、ファイナルの優勝戦は予定より一日遅れの7日(日)に行われた。
なお、当節は1年間使用された「モーター」と「ボート」の最終シリーズ(※2年間使用した「プロペラ」も使い収め)だった。そのシリーズでV戦の1号艇を手にした丸野一樹を筆頭に、A1級勝負で気合十分の走りを披露した丸野と同期(109期)の片橋幸貴、今期好調な深井利寿という滋賀支部勢の「3名」がベスト6入りを果たした。
その他では、初日の「江戸川選抜戦」を制した吉田俊彦と、廣瀬将亨の兵庫コンビも優出に成功し、結果的に計「5名」の“近畿勢”がファイナリストに名を連ねたが、エース機(64号機)の援護を得た東京支部の海老澤泰行も予選を「オール2連対」で2位通過を果たして“地元の威信”を守った。
迎えた優勝戦は、上げ潮が「60cm/s」と強かったものの、微風の好コンディションの下でレース開始となり、大外の深井を除く5選手が「コンマ10」前後の好Sで飛び出した。中でも、ダッシュが乗っていたのは吉田(4号艇)と廣瀬(5号艇)だったが、豪快な握りマイで攻めた廣瀬を受け止めて、インの丸野が先マイを敢行!
その丸野だが、廣瀬を牽制気味に回ったことで懐が若干甘くなり、初手から「差し一本」に構えていた海老澤(2号艇)がバック線の半ば過ぎで丸野に並び掛けた。そして、勝負どころの続く2M、丸野が渾身の「フルターン」を放って、海老澤を引き波に嵌めると、後続との差を一気に広げて優勝を掴み獲った!
後続争いは、2Mで海老澤と吉田を捌いた廣瀬が2番手に浮上。その廣瀬は、内々を執拗に絡んでくる海老澤に対して、冷静に外々をツケ回り2着に入線。また、廣瀬を深追いした海老澤に対して深井が猛追したものの、ゴール線での写真判定の末、海老澤が辛うじて3着を死守した。
さて、優勝した丸野だが、圧逃劇とは行かなかったものの、1周2Mの「高速ターン」は実に鮮やかで、2017年3月の常滑以来、約2年ぶりとなる通算「3回目」のVとなった。今年はハイレベルだった2月の「G1近畿地区選手権」で優出(4着)を果たすなど好調で、各地で好レースを展開している。
ちなみに、当地は2016年12月の「全国BR専門紙記者クラブ杯」以来、2回目の優出だった丸野だが、最近の江戸川ではモーター抽選運の無さに加えて、事故多発という悪い流れで見せ場すら作れていなかった。しかも、前回1月の「デイリースポーツ杯」では、レース前の「S特訓」で転覆を喫するなど散々だった…。
その反動もあってか、今回は「1番人気」に応えたレース後の水上セレモニーにおいて、多くのファンを前に喜びと感謝の念を幾度も示していた。
今後の丸野は、6月の住之江G1戦(太閤賞・63周年記念)までビッシリ斡旋が詰まっている。所属している滋賀支部は、守田俊介・馬場貴也の“2トップ”を頂点に数の上では「少数精鋭」だが、抜群の「旋回力」を誇る丸野は、まだ伸びシロを残している。この先も地道に鍛錬を積んで行けば、守田・馬場とともに「記念ロード」を歩む存在になり得る可能性を秘めている! |