| 【優勝】吉田宗弘(4093・東京)5日間の得点率制で争われた「第43回報知新聞社杯」は、水面コンディションに恵まれ、当初の予定通り28日(火)に優勝戦が行われた。
なお、初日を連勝で滑り出した山下和彦は、2日目以降も快進撃を演じた。予選3日目(12R)のイン戦で「2着」と取りこぼしたものの、それ以外の6戦は全て「1着」と“無双モード”の強さ。節イチの「伸び足」と「剛腕」で白星街道をばく進して、V戦の1号艇を勝ち獲った。
その他、山下以外の初日選抜組では、“当地3割増し”の是澤孝宏と、ソツのないレースで2日目以降を「オール2連対」にまとめた柳生泰二がベスト6入り。さらに、坂元浩仁&大谷直弘の「愛知コンビ」に加えて、地元からは“旧エース機”である「38号機」のパワーを引き出した吉田宗弘が優出した。
そして迎えた最終日は、朝方から北寄りのホーム「向かい風」が吹いた。ちなみに、V戦の時間帯は風向きと逆目の「上げ潮」が「40cm/s」と少し強まったことで、ポチャ波が立ち、スタートが少々難しいコンディションとなった。
レースの方は、トップSを決めた吉田(6号艇)のタイミングが「0.21」で、V戦としては全体的に仕掛けが慎重に…。しかし、アジャスト気味の艇が多い中、“フルダッシュ”でスリットラインを通過した吉田がグイグイと伸び切って内を一気に絞り込んだ!
その吉田に対して、インで捲られた山下も小回りターンで立て直したが、旋回直後の“加速感”に勝っていた吉田はバック線の半ばで山下を振り切ると、続く2Mも先取り。この時点で後続との差を広げた吉田の優勝がほぼ確定的となった。
次位争いは、2Mで山下の旋回が流れたところを、柳生(5号艇)がズバッと差して山下を捉えた。そして、柳生は次の2周1Mで山下の差し場を封じて、そのまま2着に入線(※3着は山下)。なお、3連単の「6-5-1」は、5万舟(53,500円・81番人気)という“大波乱”となった。
さて、圧巻の“大外ガマシ”を炸裂させた吉田は、2015年10月の当地V戦(日本写真判定社長杯)を2コース差しで制して以来、実に4年4か月ぶりの優勝。今シリーズは、往時のパワーが蘇ってきた旧エース機(38号機)とのタッグだったが、3日目に完調域に到達。その3日目に“無敵”を誇っていたインの山下に3コースから土を付けた吉田は、ラストの大一番でも再び1枠の山下を撃破して、久々の栄冠を勝ち獲った!
ゴールライン通過後に2度ガッツポーズして、抑え切れぬ喜びを爆発させていた吉田は、前期末(昨年10月)の当地戦(東京中日スポーツ杯)の予選3日目に痛恨にフライングを切った。それにより「F2」となり90日間の長期欠場を強いられたが、同節のF後の苦しい外枠戦で粘り抜いた吉田は、非常に厳しい状況下で“A2級勝負駆け”を成功させていた。
実際のところ、今回の優勝戦前日のインタビューでも「Sは行く自信がない…」と話していた吉田は、予選道中もスタートに相当気を遣っていた。それとともに、「(前期のF2で)家計が厳しいので、賞金が欲しい」と妻子の顔を思い浮かべて発奮。「F」だけは絶対に切れない状況にあったが、過度な“スリット合戦”にならなかったことが大きかった。
また、吉田にとって今回が通算「6回目」優勝だが、前回(2コース差し)を除く残りの「5V」を外枠からの「捲り」で飾っている通り、基本的にダッシュ戦で本領を発揮する“カマシ肌”。最近こそ「前付け」に行くシーンが見受けられるが、今後も、ここ一番は得意の「豪快捲り」で魅せて欲しいところだ! |