【優勝】佐藤翼(4573・埼玉)6日間の2準優制で争われた令和元年のラストシリーズ「第42回京葉賞・トータリゼータエンジニアリング杯」は、予選最終日(4日目)の12Rが強風高波浪のため中止・打ち切りとなったが、日程通りの12月29日(日)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、前日の5日目も後半は荒水面となったが、その状況下で実施された2つの準優勝戦は、1号艇の佐藤翼(予選1位)&村田敦(同2位)がともに「1着」でクリア。その結果、準優までの8戦で「6勝」をマークした佐藤が、V戦のポールポジションをガッチリと掴んだ!
その他、佐藤以外にも、白井友晴・飯島昌弘の両当地巧者に加えて、男女混合戦で殊勲の“初優出”を果たした前田紗希の計4名の「埼玉勢」がファイナルに進出。また、“3連続V中”と確変モードに突入している愛知の杉山正樹も優出に成功した。
そして迎えた優勝戦は、微風の吹く絶好の水面コンディションでレース開始となったが、「ゼロ台」を踏み込んできたのはインの佐藤(0.07)と、5枠の杉山(0.08)。まず、佐藤が1Mを悠々と先マイしたのに対し、全速の「捲り差し」を狙った杉山は、2枠の村田に行く手を遮られたため、佐藤が逃げ態勢を築いた!
その佐藤は、一番差しの村田をバックストレッチで突き放すと、2Mも力強いターンで駆け抜けて“V”が確定的となった。一方、村田が次位を追走して、3着を杉山と白井で競る格好になったが、2番手を航走していた村田が3周1Mで痛恨の「ターン漏れ」を犯した…。
杉山がその隙を逃さず、白井を抑え込みつつ「捲り差し」を捻じ込むと、ラストの2Mを先取りして逆転の2着で、村田が3着という順で決着した。
さて、当地3度目の優出にして“江戸川初制覇”を飾った佐藤だが、今回が今年「16回目」のファイナル進出と“優出ラッシュ”の一年ではあったものの、これが2019年の初優勝。なお、同じ白カポックでV戦に進出した10月のびわこでは、柳田英明(東京支部)の「強捲り」に沈んで4着。その雪辱を果たした今回のレース後は「ホッとした…」と話し、喜びよりも安堵の表情を浮かべていた。
その佐藤は「捲り水面」の戸田育ちらしく、根っからの“速攻派”。デビュー3年目には、ヤングダービーの前身である「G1新鋭王座決定戦」のV戦1号艇で非常識なFを切り、スターダムにのし上げる大チャンスを逃してしまったが、その後も着実に成長。一般戦を走れば常に“主役”を張れるレベルの実力を蓄えてきた。
さらに、「(地元の)戸田以外の関東のレース場では初めての優勝。これは本当に嬉しい!」とも話していた佐藤。難水面の江戸川を制して、令和元年を最高の形で締め括ることができたが、来年に目指すのは、優出ラッシュではなく“V量産”。調整熱心で妥協を許さず、メンタル面においても著しく成長しているだけに、更なる飛躍を期待したい! |