【優勝】中辻崇人(3876・福岡)4日間の短期決戦で争われた「第27回全国ボートレース専門紙記者クラブ杯」は、優勝戦の好枠を固めた平尾崇典・中辻崇人・大田直弥の3選手が予選で一歩も譲らずオール2連対で優出し、シリーズを牽引した。迎えたファイナルバトルで1番人気に支持されたのは勿論、1号艇の平尾だったが、Vを勝ち取ったのは2号艇で2番人気の中辻だった。
優勝戦は「上げ潮」40cmに北寄りの「向かい風」が7mと強めに吹くコンディションで、波高25cmを計測する荒水面となった。レースの方は6号艇の古賀繁輝がスタートでやや立ち遅れたものの、他5選手はまずまずの飛び出し。4号艇の畑和宏が少し覗いたが攻め切れず、差しに回った時点で、レースの主導権争いはスロー3選手に絞られた。
まずはインの平尾が1Mを先に回ったが、江戸川巧者らしからぬ、まさかのオーバーターンに…。それに対し、ブイ際を舐めるような絶妙な差しハンドルを入れたのが中辻だった。
また、平尾・中辻の間を割ってきた3号艇の大田も、バックで好位置に押し上げ、2Mで中辻の懐を狙ったが、中辻はきっちりと抱いて回り、2周目のホームを通過した時点で優勝がほぼ確定した。
後続は、大田が2着かと思われたが、2周1Mで痛恨の半キャビ。旋回が大きく膨れてしまい、3番手を追走していた平尾が差しを捻じ込み、大田を捉え逆転の2着。1番人気の意地は見せた。
勝った中辻は、これで江戸川は通算10優出で4回目の優勝。今回は1年7ヶ月ぶりの当地参戦で、前検日には「水面が狭く感じるから慣れたい」と違和感があった様子だったが、3日目には「走り方を思い出してきた」と適応は早かった。
3日目終了後の優出選手インタビューの時に、「以前は(江戸川に)よく呼んでもらったんですよ。ここは慣れが必要ですし、あまり間隔を開けずに走りたい(笑)」と話していた中辻。実際、昔から水面相性は良く、これで当地一般戦は“7連続優出”と安定した戦績を残している。
また、アウトコース(5・6枠)の連対率が非常に高い点も強調材料で、スピード&機動力は記念・SG常連クラスにも決してヒケは取らない。最近こそ一般戦回りが多くなっているが、再度、上の舞台での活躍を期待したい選手だ。 |