【優勝】岡孝(2914・徳島)新エンジン&新ボートになって3節目の「第38回日刊スポーツ杯」を制したのは、徳島の古豪・岡孝だった。
優勝戦はいつもどおりに3対3の進入で、スタートが速かったのはスローの3艇。1Mではインから瀬尾達也が逃げたかに見えたが、その瞬間に3号艇の岡が目の醒めるような捲りを放ち、一気にバック線で先頭に躍り出た。一瞬、他の選手が止まって見えたほどの思い切りのいいスピード。優出メンバー中、最年長とは思えないような、見事な勝ちっぷりだった。
インで残した瀬尾がそのまま2着をキープしたが、3着争いは差した原豊土(2号艇)と山口裕二(6号艇)が2Mで競って流れ、そこを巧く差した4号艇の金子貴志が浮上。その後も後続艇を振り切って周回を重ねた。また、スリットで後手を踏んでいた馬場貴也(5号艇)は、終始見せ場を作れず…。
さて、優勝を飾った岡は、これが通算で自己「19回目」の美酒。キャリアを考えたら、決して優勝回数は多い方ではないが、今シリーズは初戦にカドから鮮やかな捲りを披露して弾みを付け、その後も、連日速いスタートを繰り出した。
57才という年齢など感じさせず、ガムシャラに攻めて行く姿は実に頼もしく、組んでいた「14号機」も前々節(59周年記念)で、魚谷智之が快速レベルだったエンジン。岡自身も優出インタビューで、「エンジンの素性がいい」とベタ誉めだった好素性機。これから先も覚えておきたい一基と言える。
ちなみに、岡の初優勝は1988年12月(今から26年前)の地元・鳴門でのもの。今年の唐津で行われたマスターズ(名人戦)では惜しくも準優で敗退したが、最近では2011年10月の尼崎以来の優勝で、江戸川では初めてのVだった。インタビューでは、「僕は波が得意なのに、江戸川へやって来ると、不思議と水面がいい(笑)」と、これまでは水面の良さが災いして(?)消化不良だったが、これでひとつの区切りはできた感じ。
また、今回の優勝戦は、岡にとって通算「1484回目」の1等。メモリアルの通算“1500勝”が目前に迫り、しばらくは脂の乗り切ったベテランの一挙一動から目が離せないことだろう。 |