【優勝】河合佑樹(4494・静岡)2準優制(準優同枠戦採用)による6日間開催の「第41回報知新聞社杯」は、節間を通して水面状況が不安定で、安定板装着となったレースも多かったが、日延べすることなく、予定通りの26日(金)に最終日の優勝戦が行われた。
予選道中は、荒波との戦いになった今シリーズだったが、最終日の風は穏やかで、ファイナルの優勝戦はホーム「追い風」が「3m/s」に対し、順目の「上げ潮」が「50cm/s」という、上々の水面コンディションで迎えられた。
レースの方は、カド発進の松浦博人(4枠)がトップS(コンマ11)で飛び出したが、スリット後に出切るまでは至らず、カド受けの馬場貴也(3枠)が応戦。両者で「捲り競り」の形になったが、結果的に馬場が外の「遮断機」となり、その隙にインから河合佑樹が先マイに成功。そして、2コースの島村隆幸が定石通りに差して、バックは2人のマッチレースとなった。
なお、河合の懐がやや甘く、絶妙な差しハンドルを入れた島村が、一旦は河合に肉薄するも、旋回後の舟足がまるで違っていた。河合は完璧に仕上がった「22号機」のパワーで島村を突き放すと、2Mも先取りして“当地初V”が確定。島村はそのまま2着に入線した。
対して、熾烈だったのは3着争いで、1周目のバックは馬場と差した飯島昌弘(5枠)、捲り差しで切り込んだ桑原将光(6枠)の3者で並走の形に…。続く2Mでは、先行艇(河合)の引き波に乗ってしまった飯島が後退したが、内を巧く差し込んで3番手に浮上した桑原に対し、馬場が全速連発で急追。ただ、当地を知り尽くす桑原が驚異の粘りを発揮。機パワーでは馬場が完全に上回っていたが、桑原は残りのターンを全てノーミスで凌ぎ切って3着を死守した。
さて、優勝した河合は、前検日の時点から直線の「伸び気配」が抜群だった。序盤の段階では、水面状況が芳しくなかったこともあり、本人は半信半疑の様子だったが、中盤戦以降は現行のモーターの中でも、ピカイチの“パンチ力”を誇る「22号機」の強パワーを実感。最終的には「伸び型で、かなりのレベル。エンジンは100点です!」と言い切れるほど、機の仕上がりは万全だった。
その河合は、2期前(2016年の前期)に「F3」となり“地獄”を味わったが、苦しいB2級暮らしから僅か1期でA1級に復帰した。自身が所属する「静岡支部」は全体のレベルが高く、切磋琢磨できる環境にあることもあり、着実に地力を付けている。まだG2以上の特別戦での優出歴はなく“記念のカベ”は感じるが、強力メンバーが揃う次節の「若松65周年」での走りにも注目したい。
そして、江戸川の次節(6/3・土~6/8・木)は、いよいよ上半期の大一番「G1江戸川大賞・開設62周年記念」を迎える。今節優勝した河合が、自分のモーターについて「(次節の)記念でも活躍できるエンジンです!」と断言していたが、その「22号機」とともに、当初のエース機候補だった「17号機」も馬場が再浮上させており、好勝負は確実だ!
また、優出機以外で注目は、重量級の矢橋成介が「今節のエンジンでは僕のが一番。こんな感触は経験がない!」と絶賛の嵐だった「64号機」で、前記した河合の「22号機」と“エース機”の座を争う猛烈なパワーを披露した。さらには、「記念でも確実に出ると思います」と話していたのは大久保信一郎で、出足型にも伸び型にもなる「65号機」もかなりの優良モーター。これらの4機は期待十分で、次節も必ずマークしたいところだ。 |