| 【優勝】小林泰(4401・東京)6日間シリーズ(2準優制)の「第44回デイリースポーツ杯」は、節間を通して水面コンディションに恵まれ、日程通りの10月8日(木)にファイナルの優勝戦が行われた。
まず、前日(5日目)に行われた準優勝戦は、ともに1号艇の豊田健士郎(11R)&田中和也(12R)が譲らずに逃げ切って1着。その結果、予選トップ通過の田中がV戦の1号艇を獲得した。
一方の主力組では、予選2日目にフライングを切った秋山直之が戦線を離脱した他、調整に苦戦した吉田俊彦もまさかの予選落ち…。さらに、齊藤仁と重野哲之も準優戦で敗退。対して、地元の東京支部からは、看板機(51号機)とタッグを組んだA1級の小林泰がベスト6入りを果たした。
なお、最終日の開催は、寒々した雨模様の一日となり、時間帯によって北寄りの「向かい風」が少し強めに吹いたが、全レースが順目の「下げ潮」だったため、ラストのV戦も良コンディションとなった。
そして迎えたレースの方は、インの田中がスリットで完全に立ち遅れるまさかの展開に…。それに対して、トップS(0.12)を決めてきたのはセンターの小林(3号艇)だったが、スリット後にグッと伸び返した豊田(2号艇)が、インの田中を置き去りにして「先捲り」を敢行した。
しかし、豊田は切りシロのない2コースから艇を内に寄せて捲ったため、懐が若干甘くなり、それをマークする位置から小林が絶妙な「捲り差し」を捻じ込んできた。なお、バックの伸び足は豊田が勝っていたが、内有利に運んだ小林が2M先取りを果たすと、そのまま後続との差を広げて「V」を確定的なものした。
また、1周2Mで「差し返し」を狙った豊田だったが、先行する小林との艇間隔が近過ぎて、モロに引き波をなぞる格好に…。その豊田の内懐を切り返した小川知行(6号艇)が逆転して2着、豊田は3着で、3連単(3-6-2)が「67,220円」の「91番人気」という大波乱でシリーズの幕が閉じた。
さて、勝った小林は、8月の平和島に続く今年「2回目」、通算では「7回目」の優勝。今節は看板機の「51号機」をゲットして大きなアドバンテージを得たが、節間を通して「快速モード」だった訳ではなく、幾度も調整に悩むシーンがあった。それでも、最終的には同機の特性である「出足」+「回り足」を9割方は引き出すことができた。
ちなみに、小林は当地「3回目」の優出にして、待望の「江戸川初制覇」。なお、予選敗退に終わった前々回(7月)の「G3アサヒビールカップ」の時に、「江戸川は全然調整が分からない」と頭を抱えていたが、同時に「また江戸川の斡旋が入ってますし、とにかく何か掴まないと…」と、シリーズの終盤まで試行錯誤しながら調整に没頭していた。
そして、前回(8月)の「スカッとさわやか杯」では、機力自体は平凡だったものの、予選を突破(準優入り)して一歩前進。結果的に、今シリーズのVは「展開の利」と「モーター本体の力」によるところも大きかったが、小林自身が短期間の間に当地を数多く走れたことは、確実にプラスに働いたはず。そして、この優勝で少しは水面に対する「苦手意識」も払拭できたことだろう。
また、小林はこの優勝で今期の勝率が「6.04」まで上昇。本人も、予選の段階で「この後、7点ペースで走れれば望みはありますからね!」と「A1級死守」へ意欲を燃やしていた。地元戦を最高の形で終えた小林の今期は、残すところ戸田と蒲郡の2節。「F」の足かせもない「S巧者」は、このままメイチ態勢で「A1級勝負駆け」にチャレンジする! |