【優勝】須藤博倫(3983・埼玉)“全国選抜”が「4人」に対し、“東京支部”からも「2人」が勝ち残った「G2江戸川634杯・モーターボート大賞」は、10日(月)にラストバトルの優勝戦が行われ、ポールポジションの1号艇で、断トツの1番人気に支持された須藤博倫がインから逃げ切って優勝。自身「5回目」となる特別戦のタイトルを手にした!
その最終日の開催は、朝から南寄りのホーム「追い風」が強く吹き、水面はやや荒れ模様。1Rから安定板が装着されたが、7R以降は潮の流れが順目となる「上げ潮」に変わり、江戸川特有の「うねり」は徐々に軽減。優勝戦は「追い風10m/s」に対して「上げ潮50cm/s」という条件の下、決戦の火蓋が切られた。
レースの方は、準優戦までの6走中、5回が「ゼロ台」という驚異的な“カミソリS”を連発していた三嶌誠司(2枠)が、最後も「コンマ04」のトップSで飛び出して捲りに出たが、インの須藤博倫は極めて冷静だった。ギリギリまで三嶌に抵抗すると、1Mの少し手前でレバーを落とし、絶妙なクイックターン。勢い余った三嶌は強い「追い風」と「上げ潮」に大きく流されてしまった…。
さらに須藤は、差してきた平尾崇典(3枠)と飯山泰(4枠)をバック線で突き放すと、2Mも先取りに成功。そのまま独走態勢に持ち込むと、ゴール板通過後には、小さなガッツポーズで喜びを表現した。
一方の次位争いは、1周2Mで握った平尾が大きくバウンドしたのに対し、ターンマークをしっかり回した飯山が2番手。次の2周1Mで内々を切り込んだ平尾を、飯山が労せず捌いて2着を確保した。
そして、3着争いは三嶌・平尾に若林将(5枠)が絡む大接戦となったが、最終1Mで三嶌が若林に猛突進。その競り合いを落ち着いて差した平尾が3着に入った。
さて、勝った須藤だが、初戦(3着)後は“無敵の白星街道”を突き進み、最終的には“7連勝”で締め括り、2015年2月の戸田「関東地区選手権」以来となる特別戦戴冠。「今回と同じ、追い風・上げ潮のインで惨敗(5着)した…」のは、遥か昔の当地「47周年記念」の優勝戦。三嶌に捲られかけた今回も、その“悪夢”が頭をよぎったはずだが、あれから大舞台で多くの経験を積み重ねた今回は、同じ轍を踏むことなく“15年越し”で見事リベンジを果たした!
優勝戦後は「自分というより、64号機の力だと思います」と、当地の“エース機”に改めて最敬礼した須藤。「(2日目の)ドリームを勝ってから、得点率トップで準優に乗ると自分を追い込んだ。その期待に応えてくれるエンジンです!」と語り、“異次元”とも言えるパワーで席巻した6日間の激闘を振り返った。
また、この勝利で来年3月に浜名湖で行われる「SGクラシック」の出場権利を獲得したが、それだけでなく「(今年の)ダービー(平和島)も、次の桐生でパーフェクトできればまだ可能性はある。最後の最後まで勝負したいですね」と、引き続き“熱い”意気込みを示した。
そして、「埼玉支部が元気であればいいです。(桐生)順平だけ頑張らしてはキツイでしょうし、みんなで切磋琢磨していきたい」と、最後は埼玉支部長らしい言葉で締めた須藤。桐生&中田竜太という若きトップレーサーが育ったが、この勝利を弾みに“支部長”自身も悲願のSG制覇へ猛進して欲しい。 |