【優勝】伊藤将吉(4033・静岡)「第15回さわやか杯」は7月31日(金)に優勝戦が行われたが、その日は3連単万舟が「6本」も飛び出す波乱の最終日となった。5・6号艇の選手が「4勝&2着6本」と驚異的な活躍。握り競りの展開が多く、外枠からの「差し」や「捲り差し」が面白いように良く決まり、本命党には非常に厳しい一日に…。 9R以降の万穴連発で波乱ムードが渦巻く中、見事優勝を飾ったのは3号艇の伊藤将吉だった。トップスタート(コンマ09)を決め、渾身の全速ツケマイ。インの船岡洋一郎もまずまずのスタート(コンマ13)を決めていたが、その船岡を完膚なきまでに叩き潰して、伊藤はバックで先行態勢を築いた。 差し伸びた橋本久和(5号艇)が2M手前で内を突き、さらには杉田篤光(2号艇)も鋭く差し迫ってきたが、伊藤はともに凌ぎ切り、2周ホームの半ばでVを確定付けた。前日のインタビューでは「攻めて行きたい!」と話していた伊藤。強めの「上げ潮+追い風」の水面状況で“捲り損”も大いにあり得るコンディションだったが、有言実行の走りで快心の1着ゴールを飾った。 一方、2着の杉田は惜しいレースだった。1周2Mは伊藤と橋本をまとめて差し切れる絶妙な位置にいたが、「ベタ(静水面)だと出られるから、波が出た方がいい」の自己分析どおり、パワーが後一歩足りなかった感。ただ、勝った伊藤とともに節間を通して江戸川の難コースを力強く乗りこなし、波水面の強さは実証して見せた。 また、橋本・草場の追撃を抑え3着に粘った石田豪(4号艇)も健闘が光った。出足・回り足は優出メンバーの中でも間違いなく上位ランク。機歴低調な「53号機」だったが、前節あたりから確実に良くなっていて、引き続く夏場は注目しておきたいモーターだ。 さて、優勝を決めた伊藤は「グリップするだけで、足は普通くらい」と辛口評価だったが、最後は予選1位通過(準優は2着で3枠回り)の意地を見せた。また、前回の当地優勝戦(昨年7月・江戸川メルマガ会員ご招待カップ)ではカド4コースからフライングの勇み足を犯しており、その“雪辱”もキッチリと果たした。 これで伊藤は前節の下関(一般戦)からの連続Vと好調を維持。また、早くも年間「5V」となり、来春3月に平和島で行われるSG「ボートレースクラシック」出場へ大きく前進した。 井口佳典・田村隆信・湯川浩司らをはじめ、錚々たる顔ぶれが並ぶ「85期」の一員にあっては、その影に隠れがちな伊藤だが、レベルの高い静岡支部で切磋琢磨し、ここ1・2年でグッと地力がアップした印象。今回は捲り(ツケマイ)で勝ったが、中・外コースからの「捲り差し」も非常に巧く、そのターンレベルはかなり高い。まだ7月が終わったばかりで、今後もVを積み重ねる可能性は十分。あと1つ優勝できれば、クラシック出場は完全当確と言って良く、念願の“SG初出場”へ更なる活躍を期待したい。 |