【優勝】岡崎恭裕(4296・福岡)現行モーターのラストシリーズとなった「G1ダイヤモンドカップ」の優勝戦は、4号艇の岡崎恭裕が、カドから鮮やかに全速捲り一閃!2010年にSG笹川賞(現オールスター)を制覇しているが、デビューから13年目にして“初のG1タイトル”を獲得した!
その最終日は気温がグッと上昇して、風も南寄りの暖かなホーム「追い風」が吹く一日に。「下げ潮」の6Rまでは1号艇が壊滅状態だったが、潮が止まって「上げ潮」が入り始めた7R以降11Rまでは、イン逃げが“5連発”。一転して捲りが利きにくい条件となり、イン天国となっていた。
そして、迎えたラストの12R優勝戦も、穏やかな追い風(3m/s)に対し、「上げ潮」が強い(60cm/s)コンディションの元、決戦の火蓋が切られた。
レースの方は、全艇が1艇身以内(0.15)の好Sを切り、中でもカドからトップS(0.11)を決めた岡崎恭裕(4枠)が、ダッシュ枠の分グッと伸びて、カド受けの市川哲也(3枠)を飲み込む形に。そこから迷わず「全速捲り」で攻めた岡崎は、インの湯川浩司(1枠)も完全に引き波に沈めて、一気に先行態勢を築いた。
ただ、「上げ潮」が強く、海からの“うねり”が入っていた関係で、2Mでは波に引っ掛かってボートが暴れ、旋回がかなり膨れてしまった岡崎。続く2周1Mでもキャビり気味となり、最後の最後に“江戸川の洗礼”を浴びかけたが、その後は落ち着いて周回を重ね、G1戦「13度目」の優出にして、ついにG1タイトルを掴み取った。
対する2着争いは、岡崎マークの東本勝利(5枠)が捲り差しで浮上した内を、2コースからの小差しで凌いだ石渡鉄兵が次位追走。一旦は、岡崎・石渡のワンツーで決まったかと思われた。
しかし、V戦1枠の意地がある湯川が、石渡を猛追。1周バックは最後方に近い位置に沈んでいたが、2Mを豪快に全速で回すと、“鬼足”に物を言わせて一気に3番手まで浮上。
続く2周1Mでは、先頭の岡崎がキャビり気味になり、2番手の石渡がその水飛沫を避けるように外を回したため、湯川は渾身の差しハンドルを捻じ込んだ。バック線半ばで石渡を捉え切ると、2周2Mを先取りし、湯川が逆転で2着に入線した。
さて、優勝した岡崎だが、道中は少しヒヤリとするシーンがあったものの、「1Mは思い描いていた通りの展開とターンができた。正直、Sは(特訓で)掴めてなかった。0台は行かないように、全速の10を行ければと思っていたので、100点満点のSが行けましたね!」と満面の笑みで、激闘を振り返った。
なお、この先は丸亀の65周年に出場した後、一般戦を3節(蒲郡G3・若松・三国)走ってから、地元・福岡の「SGオールスター」が控えている。「博多のオールスターは獲りたい。いいリズムで行ければいいですね」と、ホームでのビッグタイトル奪取に照準を定める。
また、今回は「捲り」で制したが、本来は“ニュージェネ”世代においても切れ味満点の「捲り差し」を武器としている岡崎。G1制覇の勢いと得意の「捲り差し」を最大限に生かして、オールスターでも更なる活躍を期待したいところだ。 |