【優勝】海野康志郎(4324・山口)4日間シリーズの「第29回全国ボートレース専門紙記者クラブ杯」は、序盤の2日間こそ「向かい風」が強く吹くコンディションとなったが、3日目に風は収まり、最終日も無風に限りなく近い、絶好の水面でレースが行われた。 そして迎えた優勝戦は、カドからトップSタイ(コンマ11)を決めた谷野錬志(4号艇)が、艇を内に寄せて絞りかけた瞬間に、カド受けの丸野一樹(3号艇)が強烈に伸び返した。丸野はレース前の宣言通りに、思い切った全速ターンで攻めたが、インの海野康志郎(1号艇)がその攻めを阻止して、先マイに成功。 ただ、丸野を牽制して回った海野は、旋回が多少膨れて、いち早く「差し」に切り替えた谷野にバックで並ばれかけた。それでも、“節イチ”に仕上がっていた自慢の強パワーで谷野を突き放すと、2Mも力強く先に回したところで、海野のVが確定した! 一方、海野の“鬼足”に捻じ伏せられてしまった谷野だが、大外から勢い良く差し上がった山本景士郎(6号艇)を、2Mで冷静に捌いて2着を確保。 また、1Mを攻めた丸野だが、続く2Mも全速で回って、3番手の山本に肉薄すると、2周1Mで山本の内に後方から益田啓司(2号艇)と村田敦(5号艇)が殺到した展開に乗じて、再度のフルターンで振り切り、丸野が逆転で3着をもぎ獲った。 さて、当地初Vを“準完全”で達成した海野は、優勝戦前日の時点で「伸びは間違いなくいいし、出足も完調」と自信満々に話していたが、当日のインタビューでも“節イチ”宣言が出るなど、メーカー機の1つである「19号」のパワーは最後まで圧倒的だった。また、「今節は何もしてない。ペラも見てないしね」と、終始ピット内でもリラックスムードだった。 「10月も3節連続で、一度もペラを見ることすらしなかった。その3節で(勝率)8点くらいは残せたんですよ」と、時には“ステイ”することの意義を学んだ海野。本来は「調整」や「整備」に対して非常に熱心なタイプだが、モーターやペラの状態がいい時は、「S」と「レース」に集中して結果を出す。今節も“ドン”と構えて、最高の結果を呼び込んだ! これで今年「4V」とした海野は、今節が今年の仕事納め。身長が高いこともあり重量級(常に60kg近辺)で、記念(G1・G2)を走るとさすがに足負けすることも多いが、「ターンで負けたら、勝つところがないから、(その部分では)負けられない!」と自信を示す“旋回力”はハイレベルで、「巧さ」と「速さ」を兼ね備えている。 そして、ここ江戸川も「自分では得意と思ってるし、むしろ好きですよ!」と、今節も水面が荒れた序盤の2日間で“波巧者”ぶりを如何なく発揮した。今回は好モーターの援護も大きかったが、次回参戦時も、豪快ターン連発で主役の走りに期待したい! |