| 【優勝】山下友貴(4464・静岡)若手主体(登録16年未満)の“オール女子”によって熱戦が繰り広げられた「ヴィーナスシリーズ第7戦・江戸川JINROカップ」は、23日(日)に1着賞金「100万円」を懸けてファイナルの優勝戦が行われた。
その最終日は、南寄りのホーム「追い風」がかなり強まった上に、序盤戦の時間帯が逆目の「下げ潮」ということで、水面状況が悪化。そのため、1Rの開始時刻を予定より1時間半ほど遅らせる措置が取られたが、順目の「上げ潮」が強まってきた5R以降は、水面コンディションも回復に向かった。
そして、優勝戦は追い風「8m/s」の発表だったが、見た目に風は大分弱まっており、まずまず良好なコンディションでレースを迎えることができた。
レースの方は、優勝戦としては全体に遅めのスリットで、トップSを決めたのは1号艇の今井美亜だったが、カド受けの位置で若干後手を踏んでいた山下友貴(3枠)が、ダッシュ勢に対して伸び返す形から、強ツケマイ一閃!これが鮮やかに決まり、旋回後もグッと足を伸ばして先行態勢を築くと、2Mを冷静に先取った時点でVが確定した。
対して、完全に引き波に嵌った今井は、1Mの出口で座り込んでしまった直後に無念の転覆失格…。そこに乗り上げた樋口由加里(5枠)が圏外に去り、差した落合直子(2枠)・守屋美穂(6枠)と、捲り差しから浮上した若狭奈美子(4枠)の3者による次位争いとなった。
続く2Mにおいて、ボートがバタ付いた落合がターンマークを外し気味に旋回すると、ブイ際をしっかりと回った若狭が抜け出して2着を確保。3着には、差し遅れた落合が2周ホームで内有利に進んで態勢は決した。
その結果、3連単の「3-4-2」は3万舟(33,440円)と、今回の江戸川ヴィーナスシリーズも波乱の決着で幕を閉じた。
さて、勝った山下は、これが通算「6回目」の優勝で、2013年12月の常滑以来となる久々の美酒。レース後の水上セレモニーでは、喜びを爆発させるとともに、実直な性格の山下らしく、数多くのファンに対して丁寧に頭を下げて感謝の念を示していた。
なお、江戸川は2015年11月(ヴィーナスシリーズ)以来の参戦だったが、今回が初めての優出。過去に賞典入りすら一度もなく、ここまでは「(水面への)苦手イメージが強い…」と苦戦が続いていたが、「今回は乗りやすいですね。今までの江戸川と違って、十分レースができます!」と回り足系を万全の状態に仕上げて、見違えるような好レースを展開。見事、鬼門の当地を克服した。
レース後の優勝者表彰では、「師匠の坪井(康晴)さんや、先輩方をお手本に、これからも一生懸命頑張りたい」と力強く語った山下は、今期が自身「2度目」のA1級と、好環境の下で一歩一歩成長している。そして、この後は、女子レーサーによる夏の祭典「G1レディースチャンピオン」に参 戦する。
その抱負として「いい流れで臨めますし、気合を入れて行きたい」と語ったが、舞台となる芦屋は、2013年12月の「G1第2回クイーンズクライマックス(当時の名称は賞金女王決定戦)」のシリーズ戦で優勝を飾っている好相性水面。攻撃力をグンと増して、進化し続けている山下が“夏の女王”初戴冠へ突き進むか!? 引き続き、熱き女の戦いに注目したい。 |