【優勝】田口節子(4050・岡山)今年の「江戸川女王決定戦」を制したのは、田口節子だった。優勝戦は、3コースから宇野弥生が鮮やかな捲り差しを決めて一旦は先行したが、1周の2Mを回った直後に舟が浮いてしまった。インで残し、2着どころを走っていた百戦錬磨の田口が、その僅かなチャンスを見逃すはずもなく、宇野の内に入り込み、ホームでしっかりと舟を合わせ切って2周の1Mを先取り。そのまま逃げ切って江戸川での初優勝を飾った。
2着には宇野がそのまま続いたが、3着は1Mを握って回った谷川里江(5号艇)が、2Mでまさかのターンミス。これを魚谷香織(2号艇)が差して捕らえ逆転。結果、好枠3者による人気サイドで決着した。なお、惜しくも優勝を逃した宇野は、エンジンの仕上がりも申し分なく、予選道中でもスタート巧者らしい思い切りのいいレースで魅せてくれたが、大事な場面での僅かなミスが致命傷となってしまった。
一方、カドから仕掛けた海野ゆかり(4号艇)は、スタートしてから内に伸び返されて何もできず、機力不足が最後まで響いた。また、大外発進というコースハンデを背負っていた寺田千恵も、展開に恵まれず見せ場を作れなかった。
勝った田口は、今回が“10年ぶり”の江戸川参戦。初日の「江戸川選抜」をインで敗退(4着)した時は水面不慣れを感じていたが、さすがの貫録で徐々に克服していき、中盤では3連勝を飾るなどテクを見せつけた。準優勝戦では、足の仕上がりに不満があったものの、組んでいた「66号機」は素性がいいエンジンで、優勝戦ではそのパワーを出し切れていた。
また、最終日は序盤が潮流と風がぶつかって、安定板が装着される荒れ水面だったが、最後の優勝戦は比較的穏やかな水面で行われた点も、波水面が苦手な田口にとっては有利な状況となった。逆に、江戸川の難水面を大の得意とする谷川にとっては、残念な水面だったかもしれない。
さて、田口は、早くも今年「4回目」の優勝だが、今回の江戸川初Vで、全国24場でまだ優勝していないのが「若松」と「福岡」の2場だけとなった。本人も、「24場制覇したい!」と意欲を燃やしていたが、キッチリと勝って自らの夢に向かって前進した。
ちなみに残る2場は、この後すぐに斡旋が入っている。若松は4月30からで、初めて優出(5着)したレース場。福岡は5月のSGボートレースオールスター(笹川賞)に出場予定。まずは若松で23場目を制し、最後の福岡をSG戦で勝てれば、願ってもない理想のシナリオ。一時期の不振からは完全に立ち直った今の田口には、そんな大仕事も簡単にやってしまいそうな勢いがある。 |