| 【優勝】山口高志(4222・佐賀)6日間の2準優制で争われた「第43回東京中日スポーツ杯」は、水面が若干波立つ日もあったが、日程通りの10月11日(金)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、前日の5日目に実施された2つの準優勝戦は、ともに1号艇の岡部貴司(11R)と山田雄太(12R)が順当に逃げ切って勝利。その結果、予選をトップで通過した山田がV戦のポールポジションを獲得した。
その山田とともに、初日の「江戸川選抜戦」に出場していたA1級では、低勝率機を必死の整備と調整によって、ある程度のレベルまで立て直した福島勇樹&松田大志郎がベスト6入り。その他では、当地の「61周年記念」を制している村越篤と、準優を快勝した岡部とともに、こちらもトップクラスの舟足を引き出した山口高志がV戦に名乗りを上げた。
そして、緩やかな「向かい風」の吹く好コンディションの下でレース開始となったが、「上げ潮」が一気に緩くなった影響か、V戦としては各艇がやや遅めの仕掛けに。結果的にスリットはほぼ横一線で「イン有利」の隊形となったが、先マイに出た山田が、内に寄り過ぎて舳先がターンマークに激突するアクシデントが発生した…。
その山田が大きく失速したことで、「差し」に構えた岡部(2枠)・村越(4枠)・松田(6枠)の3者が不利を受ける格好になったのに対して、迷いのない「全速捲り」で一気に駆け抜けたのは、3コース発進だった山口。その山口はバック線で後続との差を大きく広げると、続く2Mを回った時点で早々と“V”を確定させた!
なお、山口に続いて、外をブン回した福島(5枠)が2着に入線。そして、道中で松田を捌いた岡部が3着に入り、3連単の「3-5-2」は「51,470円(94番人気)」という“大波乱”でシリーズが閉幕した。
さて、勝った山口だが、自身の“デビュー初V”を飾った2015年6月の常滑以来、4年4か月ぶり「2回目」の美酒。今シリーズは、前節の「64周年記念」で白石健が転覆した「68号機」とのタッグだったが、序盤の段階から軽快な動きを披露。前日の準優後のインタビューでも「特にいいのは回り足ですけど、足は全体にいいですね!」と、均整の取れた万全の舟足に仕上がっていた。
レースを終えた山口は「(江戸川の)前々回に優勝戦の1号艇でFを切ってしまったので、リベンジできて嬉しいです!」と喜びと安堵感が入り混じった表情を浮かべていた。ちなみに、当地では自身初となるV戦1号艇(2015年8月のG3アサヒビールカップ)でも痛恨の「ドカ遅れ」を喫し、“初V”を逃した過去のある山口。その「2度」の苦い失敗を糧にして雪辱を果たした!
その一方、今期の山口は絶不調で来期の「B1級陥落」は免れそうにないが、この勝利でモヤモヤした悪い流れは完全に断ち切れたはず。そして、当地のプロペラ調整の“ツボ”を完全に掴んでいるだけに、次回参戦も大いに楽しみだ! |