【優勝】吉田宗弘(4093・東京)準優2個制の6日間シリーズで争われた「第15回日本写真判定社長杯」は、10月8日(木)に優勝戦が行われた。前日の5日目に吹き荒れた強い「向かい風」は最終日も吹き止まず、終日安定板を装着してのレースに。また、3R以降11Rまでは2周戦にて行われたが、風向きと順目の「下げ潮」が強まった12R優勝戦の時間帯は水面状況がやや回復したため、通常の3周戦に戻してのファイナルバトルとなった。
前日の準優勝戦では、西島義則&大場敏の両強豪が敗退し、高橋英之・吉田宗弘・相原利章の地元勢が好枠(1~3号艇)を占拠した優勝戦。レース前は、(予選を1位で通過し、準優戦も圧勝した)1号艇・高橋の優勝で仕方なしのムード。本人も「足は今までの江戸川でも別格にいい!」と、かなりの自信を覗かせていたのだが…。
北寄りの「向かい風」が7m/s、「下げ潮」20cm(波高15cm)の条件下で行われた優勝戦は、全体に遅めのスリットとなったが、それでもトップスタートを決めたのはインの高橋。外から絞ってくる艇もなく、楽に逃げられる隊形だったが、旋回入口で波に乗ってしまい舟が跳ねた。そのまま1Mもオーバーターン気味になり、懐がぽっかりと開いてしまった。
高橋にとっては痛恨となる、その“隙”を逃さなかったのが、2号艇の吉田だった。ターンマークをクイックで回す「2コース戦のお手本」とも言える絶妙な差しハンドルを入れ、バック直線で内々を先行。
2M以降も丁寧に回して各コーナーをクリアした吉田が、高橋の猛追を振り切って、江戸川2回目(今年初、通算5回目)のVが確定。2着は高橋。3着には道中の混戦を冷静に捌いた谷野錬志(6号艇)が入った。
勝った吉田は、2011年12月の当地(スポニチ杯)以来、約4年ぶりとなる久々の優勝。喜びを抑え切れず、ゴールライン通過後には小さなガッツポーズも見せた。前日のインタビューでは「15全速のスタートを行きたいけど、Fを切って地元に迷惑は掛けられない」と殊勝に話していた吉田。実際「コンマ31」と平凡な仕掛けだったが、まさに“スタートは遅く、ゴールは速く”を体現したレースで締め括った。
なお、ここまでの4Vは全てダッシュ位置から捲って勝っていた吉田だが、今回はスロー発進から差しての優勝。依然として、地力を発揮できる「伸び」への拘りは持ち続けているが、無理に直線を求めると弊害も多い現行のモーター&ペラ制度。今節の仕上がりは「出足寄りのバランス型」で、いい意味での妥協が好結果を生んだ。これで今期勝率も「5.47」まで上がり、念願の来期A2級復帰が視界に入ってきた。
一方、圧倒的な1番人気に支持されていた高橋は、同じく1号艇で優出した前回戦に続いての悔しい銀メダル。しかし、現勝率は7点オーバーと好調で、レース場を問わずコンスタントに快走を続けている。悲願の“当地初V”は今回もお預けとなってしまったが、そう遠くないうちにリベンジの機会が訪れるはずだ。 |