【優勝】前田滉(5068・愛知)4日間の得点率制で争われた級別期末の「月兎ソースカップ」は、安定した水面コンディションの下で3日間の予選が終了。日程通りの10月22日(木)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、2日目まで「3戦全勝」で予選最終日を迎えたマイケル田代は、3日目に「5着・5着」とポイントを大きく下げて、悔しい「優出次点」に…。さらに、優出確定かと思われた佐藤大佑も、予選ラストで痛恨の不良航法(-7点)を取られて予選敗退となった。
その一方、予選を「オール2連対」でクリアした濱崎誠がV戦の1号艇をゲット。さらに、「初V」を目指す前田滉&松本一毅がV戦のスロー(2・3)枠を占拠した。そして、吉田慎二郎・桐本康臣の2者に加えて、初日の選抜戦を制した土屋千明が紅一点、V戦メンバーに名を連ねた!
そして迎えた最終日は、北寄りの「向かい風」に対して、全レースが順目の「下げ潮」という絶好の水面コンディションの下でV戦が開始された。なお、スリットに大きな段差は付かなかったものの、インの濱崎(0.16)に対して、2コースから「0.12」とスタートで先行した前田がスリット後にジワっと舟足を伸ばした。
その前田は、濱崎との艇間隔を取った上で、1Mは「全速捲り」を敢行。一発目の初動で完璧にサイドが掛かり、あっという間に先行態勢を築いた。そして、バック線で後続を千切った前田は、続く2Mも力強いターンで先取りして、早々と「V」を確定させる完勝劇だった!
よって、焦点は「2・3着争い」に絞られ、インで堪えた濱崎と、前田をマークする形から差した松本による次位争いとなったが、1周2Mで内々を突いた松本を捌いた濱崎が2着で、松本は3着に入線した。
さて、自身「4回目」の優出にして念願の「初V」を達成した前田は、2018年11月の常滑でデビューした123期生。ちなみに、登録番号「5000番台」の選手の優勝は、5月に当地の「日刊スポーツ杯」を制した畑田汰一、9月の戸田で「初V」を飾った安河内健に次いで3人目。また、123期以降では初の「優勝者」となった。
その前田は、前検日のS特訓を終えると「化け物級に伸びてます!」と仰天するとともに、断トツの「一番時計」をマーク。そして、初日を「1着・2着」で滑り出すと、その後も強烈な「伸び足」を披露した。予選最終日は「パンチ力」が若干落ちていたが、予選を2位で通過。今節は「当地初出場」ということを全く感じさせない乗りっぷりで、全国きっての「難水面」を一発で攻略してみせた!
そして、レースを終えてピットに帰投後、すぐさま「水神祭」が行われたが、開口一番「本当に嬉しいです。まずは母に連絡したい!」と喜びを爆発させた前田。「いつもは出足型で行っていた。今節は今までとは違う伸び型でしたけど、これもありかと。勉強になりましたね」と、今後の戦いに向けても大きな収穫を得たシリーズとなった。
さらに、「来期(※2021年前期)はA2級に上がれるし、次はA1級を目指したい。そして、三兄弟揃って記念に呼ばれるようになればいいですね!」と目標&希望を掲げた前田。ちなみに、新人王の有力候補である長男の篤哉は、今月の桐生・多摩川で「2連続V」を達成。そして、一期下の双子の兄・翔も順調に勝率を上げている。
よって、この「前田三兄弟」が早々にトップステージへ上り詰めるのは、決して夢物語ではない。特に今シリーズを制した滉は、実戦キャリアがまだ「2年」とは思えぬ堂々としたレースぶりに加えて、ハンドルワークも洗練されている。このまま精進を重ねれば、すぐにA1級に上がれる逸材で、更なる躍進に期待したいところだ! |