【優勝】 妹尾忠幸(4089・岡山)4日間のシリーズの「第17回日本モーターボート選手会会長賞」は、3月21日(木祝)に行われる予定だった3日目が強風高波浪のため中止順延となり、予定より1日遅れの23日(土)にファイナルの優勝戦が実施された。
なお、予選の3日間を「オール2連対」で乗り切ったのは、妹尾忠幸&藤山雅弘の両者だったが、初日の「江戸川選抜戦」で2着だった妹尾が“点増し分”の恩恵でV戦の1号艇を獲得し、藤山は2位通過で2枠回りとなった。
その他、2日目から“3連勝”と波に乗った船岡洋一郎と、西島義則の広島勢、岡田憲行のA1級3者に加えて、眞田英二がベスト6入りに成功。その結果「中四国勢4名」VS「大阪支部2名」によるV決戦となった。
そして、上げ潮が「60cm/s」とやや強かったものの、北東の微風という好コンディションの下でレース開始となったが、トップS(0.14)で飛び出したのは3コース発進の船岡。その船岡が遮二無二「全速捲り」を敢行したが、旋回半径が大きくなり、インの妹尾は慌てず騒がずの“巧ターン”で1M先取りに成功。
続くバックストレッチ半ばで船岡との差を広げた妹尾が2Mを丁寧に回し切ったのに対して、2番手の船岡は、その2Mで内々を突いてきた西島(5号艇)を回して差す形となったため、セーフティリードを保った妹尾の“V”がここで確定的になった。
なお、2周1Mで内から切り返した西島が一旦2番手に浮上したが、2周2Mでは逆に船岡が西島を切り返して再逆転。広島勢による後続争いを制した船岡が2着で、西島は3着に入線した。
さて、インから危なげなく逃げ切った妹尾は、江戸川通算「5回目」の優勝。「波水面は苦手ですね」と言う妹尾だが、これで当地の一般戦は“7連続優出&4V”という抜群の実績を誇る。「いいエンジンを引けていることに尽きますよ」と謙遜気味に話していたが、目まぐるしく水面コンディションが移り変わる“難水面”を完全に手の内に入れているのは確かだ。
ただ、前日のインタビューでは「前回の(当地)優勝戦でフライングを切っていますし、迷惑は掛けられない。Sは無理できませんね…」と、決して楽な状況ではなかった妹尾。結果的に過激な“S合戦”にならなかったことが幸いした格好だが、仕掛けに気を遣う立場としては、最高の「スタート(0.17)」と「ターン」で掴み獲った大きな勝利と言えるだろう。
今後は、丸亀→常滑(G1)→多摩川を転戦する妹尾。前々期には「F2」を犯してB1級に陥落してしまったが、「差し技」に定評のあるテクニシャンは、僅か1期でA1級への復帰を果たしている。今回の優勝で一段と軌道に乗ってくるのは確実だし、次回の当地戦でも“主役”の走りを期待したいところだ! |