【優勝】福来 剛(4095・東京)「BP習志野開設 8周年記念」を制したのは、福来剛だった。福来は3コースのカド受けから「コンマ05」のトップスタートを決め、1Mは見事な全速捲り。2Mでは差した奥平拓也(2号艇)と渡邊哲也(4号艇)に先マイを許したものの、素早く差し返してそのまま首位を独走。自己通算「13回目」の優勝、江戸川では5月初旬(第39回スポーツニッポン杯)以来「4回目」のVを飾った。
今シリーズは、初日からスタート事故が多発。その中には有力な優勝候補だった高橋勲や、快速を誇っていた岡瀬正人も含まれるなど波乱が続出だった。実際、福来はファイナル進出を果たしたものの、エンジン的な仕上がりという点では一歩劣っていた。優勝戦前日のコメントも、「足は弱い。全体的に上積みが欲しい…」と頼りなかったが、舟足的に劣勢でも、存在感あるレースができるのがこの選手の魅力。機力不足というハンデを、早い仕掛けと目の醒めるような思い切りのいいターンでカバー。大混戦となった今節の“戦国バトル”に断を下した。
2着には、2周1Mで1号艇の山田竜一を捌いた奥平が入り、3着はインで捲られながらも追い上げて2着争いにまで加わった山田が入線。絵に描いたような“地元3強”による上位独占で幕を閉じた。
一方、差して絡んだ渡邊は、2Mでターンが漏れて後退。5年ぶりの美酒は味わえなかった。また、加藤知弘(5号艇)と大平誉史明(6号艇)もゼロ台のスタートを放ったが、内枠勢もスタートが早かったために何もできず…。コース的な不利が響いて、見せ場を作れずに終了した。
勝った福来は、5月に当地で優勝した時は大外からの鮮やかな捲り差しだったが、今回もターンの切れが素晴らしかった。今節の参戦が今年6回目の江戸川。地元メンバーの中でも走る機会が多いだけに、地の利は計り知れない。ちなみに、今回対戦した奥平には5月に優勝した時も土を付けているが、またもや軍配は福来に挙がった。
そして、今回は得意の波水面に助けられたわけではなく、強力な機力の援護もなかった。純粋に福来自身の底力だけで勝ち切った優勝だけに、より一層の価値があると言えるのではないか。改めて“勝負強さ”を見せつけた感じだ。
昨年夏(第35回大江戸賞)のV戦1枠で失格となり、その“汚名返上”に燃えていた山田は、優勝戦のインを奪取するところまでは筋書どおりだったが、今回も優勝はお預けとなってしまった。それでも、1節置いて10月4日(土)からの「G2江戸川634杯・モーターボート大賞」に再登場する。その舞台に向けて、「今節の斡旋があって良かった。この時期の調整が分かったからね!」と、絶好の“下調べの場”をなったことを強調。「次回は、高木(圭右)のエンジン(60号機=今節トップクラスに仕上がっていた)を引き当てたいな(笑)」などと物色しており、次こそは本当のリベンジへ向けて完全燃焼だ!
また、福来は(先行開催の住之江G1に参戦で)634杯には出走しないため、当地凱旋はしばらく先になってしまうが、江戸川なら年内にでも斡旋は入るはず。その時にはまた切れのあるターンを期待したいところだ。 |