【優勝】石丸海渡(4772・香川)登録6年未満のルーキーと、オーバーエイジ(OA)枠で出場した2名によって争われた「スカパー!・JLC杯ルーキーシリーズ第22戦」は、強風高波浪による2日間の中止・順延を挟んで、11月24日(火)に優勝戦が行われた。
なお、OA枠で参戦した2名の実力者は、明暗がクッキリと分かれた。まず、江戸川の当タイトル戦の前回覇者である馬場剛は、初戦でいきなり「F」を切って戦線を離脱…。対する石丸海渡は、予選トップ通過から準優戦も突破して、V戦の1号艇を獲得した。
また、地元エースの宮之原輝紀は、出足不足に悩みながらも予選を「オール3連対」で乗り切り、得点率2位で石丸とともに準優1枠を手にしたが、その準優で4着に敗れて、最終日は悔しい選抜戦回りとなった…。
その他、石丸以外でベスト6入りを決めたのは、来期(※2021年前期)はA1級に昇格する井上忠政&川原祐明と、エースモーター(51号機)が相棒だった入海馨、さらに、大谷健太と地元から唯一勝ち残った伏見俊介の2者が「デビュー初V」を目指すラストバトルとなった!
そして迎えた最終日は、シリーズの中盤で吹き荒れた強風がピタッと収まった。V戦も緩やかな「向かい風」+「下げ潮」という絶好の水面条件でレース開始となったが、中外枠の4者が「ST0.20~0.30」と仕掛けを逸したのに対して、インの石丸がトップS(0.13)を決めてきた!
加えて、ジカ外(2枠)の大谷が「ブロック役」を果たしたため、石丸は余裕を持って1Mを先制ターン。3コースから握って攻めた井上を寄せ付けることなく、バックストレッチで早くも独走態勢を築くと、続く2Mも楽々と先取りして、石丸の「V」が確定的となった。
石丸が「圧逃」したことで、焦点は「2・3着争い」に絞られたが、握った井上が膨れ気味になったため、スペースができた伏見(4枠)・川原(6枠)が差しから浮上。1周2Mでは伏見が川原を捌いたものの、足色で勝った川原が次の2周1Mで伏見を差し返して2着に入線した。
一方、伏見は2周1Mで窮屈な旋回を強いられたことで、4番手を航走していた入海(5枠)が伏見に肉薄。その後は、この両者で接戦となったが、3周1Mで外をブン回した入海が優位に。伏見も粘ったが、最終2Mも外を握った入海がエース機のパワーで振り切って3着に入った。
さて、勝った石丸は、前走地(鳴門)に続く「2節連続V」を達成。しかし、本人は「(V戦の)1Mは大分滑って、差されたと思った。結果は良かったけど、点数を付けると50点のレースです…」と猛省。それでも、「予選12位から滑り込んだ川原とのワン・ツーができて本当に良かった!」とも。結果的に「香川決着」となったことで喜びが増した様子だった。
さらに、「(今節は)OA枠で呼ばれていましたからね。あいつ(同期の馬場)がFを切ってしまったし、しっかりと手本になるレースをしないといけないと思いました!」と、同期の「F失権」でより一層責任感が増した石丸。準優日の前半戦(一般戦)こそ「大外不利」が響いて5着に敗れたが、それ以外の8戦では全て舟券に絡む活躍で責務は果たした。
また、石丸は年明けの1月に行われるG1戦(65周年記念)で江戸川に再登場する。「今節は取りこぼしがあった。ミスをすると記念では勝てないし、結果を出せるようにしたいです」と、些細なミスが大敗に直結するG1戦へ向けて、気持ちを引き締めていた。その周年でも並み居る「銘柄級」や「江戸川巧者」に臆することなく立ち向って欲しい! |