【優勝】妹尾忠幸(4089・岡山)得点率制で争われた4日間シリーズの「BOAT Boyカップ」は、3日目の開催が強風高波浪のため中止順延となり、予定より一日遅れで8月31日(木)に最終日の優勝戦が行われた。 その最終日は天候が崩れ、気温もグッと低下。突風を伴ったホーム「向かい風」が吹いたため、オープニングの1Rから安定板が装着されたが、幸いにも降雨の影響で、本来なら「上げ潮」が入る前半戦の時間帯を含め、一日を通して、風向きと同じ「下げ潮」基調となり、水面が大きく荒れることはなかった。 なお、今節の優勝戦メンバーは、6号艇の三好勇人を除いた5選手が、いずれも初日メインの「江戸川選抜」に出場したA1級で、実力者が顔を並べるハイレベルな一戦となった。 そして迎えたレースは、トップS(コンマ13)を決めた2号艇の妹尾忠幸が、思い切った「全速捲り」で攻めたが、1Mまで何とか持たせていた1号艇の渡邉英児が巧旋回で堪えた。ただ、足色はバック線の外側を伸びた妹尾が優勢で、さらには差し回りになった3号艇の平石和男も、内々を伸び上がってきた。 続く2Mでは、外伸びする妹尾と渡邉が競り気味になったのを尻目に、ターンマークをクルっと回した平石が先頭に踊り出た。一瞬、平石のVか!?とも思われたが、次の2周1Mで妹尾が渾身の差しを捻じ込むと、バック線で猛烈に加速して平石を捉えた。そして、2周2Mを先取りした妹尾は、ホームストレッチで平石を突き放すと、最終1Mも丁寧に回して、ようやく「V」を確定させた。 2着には、随所で巧ターンを披露した平石が入線。また、2周1Mで先行艇の引き波に嵌ってターンが大きく膨れた渡邉を、冷静に捌いた今井貴士(4号艇)が逆転して3着でゴールした。 なお、中枠の平石&今井の両者が1周1Mで「差し」に構えたため、展開が全くなかった外枠の藤田靖弘(5号艇)と三好勇人(6号艇)は見せ場を作ることすら出来なかった。 さて、大激戦を見事に制した妹尾は、石渡鉄兵が前節のお盆開催(大江戸賞)で完璧に仕上げて優勝した「55号機」が相棒で、V戦前日のインタビューでも「本当にいい足をしている。優勝戦メンバーでも一番出てると思います!」と自信満々に言い切っていた。その言葉通りに本番のV決戦でも、別格のパワーを余すことなく発揮して、快心の「V」を勝ち獲った! その妹尾は、今回で江戸川「4回目」の優勝。前回のG1戦(3月のダイヤモンドカップ)こそ予選敗退に終わったが、一般戦に限れば、当地は「5連続優出&3V」の荒稼ぎだ。平尾崇典・茅原悠紀・荒井輝年など、実に多くの“江戸川巧者”を輩出している「岡山支部」の中でも、ここ最近における当地での強さは、この妹尾が一際光っている! さらに、5月1日以降の今期勝率も自己最高(2013年前期の7.12)を上回る快ペースでぶっ飛ばしている妹尾。この後は一般戦を2節(びわこ・多摩川)走ってから、大村65周年→桐生61周年と記念ロードが待っている。鉄壁のイン戦(今年のイン2連対率は100%)に加えて、得意とする「差し」の精度も増している。充実期を迎えた今なら、強豪が大挙集結するG1の舞台でも好勝負は十分に可能だろう |