【優勝】杢野誓良(3929・愛知)6日間シリーズ(2準優制)の「第19回スカッとさわやか杯」は、節間を通して水面コンディションに恵まれ、当初の予定通り7月16日(火)に優勝戦が行われた。
なお、前日の5日目には2組の「準優戦」とともに「準優同枠戦」も実施されたが、1号艇の松尾祭(得点2位)と内堀学(同1位)が優出漏れとなる波乱の展開となった。
まず、同枠戦(6R)では、2コースの山崎義明に差し切られて2着だった松尾は、後半の準優戦(11R)を逃げてリベンジ成功かと思われたが、まさかの待機行動違反で賞典除外の措置が取られた…。
一方、シリーズリーダーを務めた地元の内堀は、同枠戦(7R)を圧勝したものの、準優戦(12R)では、杢野誓良の「2コース差し」を許して焦りが生じたのか、1周2Mの出口付近で、鋭く切り込んできた岩瀬裕亮の引き波に嵌って制御不能に陥り、痛恨の転覆…。負傷した内堀は無念の途中帰郷となった。
その結果、準優12Rを1着で勝ち上がった予選5位の岩瀬が、V戦のポールポジションを獲得。また、松尾が賞典除外になったため、準優11Rで4着だった鈴木諒祐が繰り上がって、嬉しいデビュー“初優出”を決めた。
そして、迎えた最終日の優勝戦は、スローの3者がスリットで先行。しかし、インから完璧なターンで1Mを先マイした岩瀬にまさかの“Fコール”が鳴り響いた…。そのため、全速で攻めた杢野(3号艇)と、差した山崎(2号艇)が繰り上がる形となった。
なお、1周1Mで山崎を引き波に嵌めていた杢野がバック線は一歩前に出て、そのまま2Mを先取り。対する山崎は、その後も強力な出足で追撃したが、杢野は最後までミスを犯すことなく先頭でゴールイン。山崎が2着で、3着には川尻泰輔(4号艇)が入線した。
さて、勝った杢野は、前回の当地戦(昨年11月・麺処ろく亭カップ)からの“江戸川連覇”を達成。その前回は、予選1位から王道を歩み、V戦もインから“圧勝”したのに対し、今回は岩瀬のF退きによる「恵まれ」での勝利。それでも、当地はこれで「3連続優出&2V」と“ドル箱”状態で、鬼神の如く稼ぎまくっている!
その杢野、準優勝戦終了後のインタビューでは「(準優11R1着の)松尾君が賞典除外とは知らなかった。(V戦は)ダッシュ戦だと思っていたんですけどね…」と複雑な表情を浮かべていた。実際、松尾が進入違反を犯さなければ(山崎が3枠で)、杢野は「4カド発進」になっていたため、作戦変更を余儀なくされることに…。
しかし、スローの3コースになったことは、杢野にとって結果オーライだった。V戦は降雨の影響で想定よりは潮流(上げ潮)が弱かったことに加えて、緩やかな「向かい風」が吹く好水面に。「全速ターン」も有効な条件となり、差しに構えた2コースの山崎を引き波に嵌めたことで、「1着」に繰り上がった。さらには、序盤の良かった“回り足”が戻っていたことも大きかった。
「苦手意識はあるんですけど、江戸川は本当に相性がいいですね!」と言う当地では、本当にいつ来てもモーターが噴き上がる杢野。調整の“ツボ”を掴んでいるだけに、次回参戦時も好勝負を演じてくれるはずだ! |