【優勝】中村尊(4090・埼玉)4日間シリーズ(得点率制)の「東京健康ランドまねきの湯カップ」は、3日目(予選最終日)の9R以降が強風高波浪により中止・打ち切りとなったが、最終日の優勝戦は日程通りの11月13日(水)に行われた。
なお、初日と2日目を「4戦全勝」としていた濱崎誠だが、前記した通り、3日目のレースが打ち切られたことで、予選最終日は出場機会がなく、全勝のまま“完全V”に王手が懸かった。同様に、序盤の2日間を「オール2連対」と快走した地元の山口亮も3日目は走ることなく、嬉しい“江戸川初優出”が決まった。
一方、3日目に出場機会のあった選手では、得点率の上位に付けていた平見真彦・中嶋誠一郎・中村尊の3者がベスト6入り。また、ボーダー直後の8位だった折下寛法が予選ラストの3日目5Rで「2着」に食い込み、5位で逆転優出を果たした。
そして迎えた優勝戦は、インの濱崎と、優出メンバーで唯一の“伸び自慢”だった折下(5号艇)が、ともに気合のトップS(0.11)決めてきた! なお、完全な「中へこみ」の隊形になったことで、濱崎はカベ役不在の「裸のイン」に…。そのため、スリット過ぎからグイグイ足を伸ばした折下が一気に内を絞りに出たが、Sを決めていた濱崎は折下に応戦。それにより「ガラ空き」となった1Mを、折下マークの中村(6号艇)が電光石火の「捲り差し」で突き抜けた!
その中村は、続く2Mも力強いターンで回し切って早々に優勝を確定的なものにしたが、「2着争い」の方は大接戦で、折下の他に、差しからしぶとく食い下がった平見(2号艇)と中嶋(4号艇)が絡む激しい攻防となった。最終的には“捌き巧者”の中嶋が2着で、3着には折下が入線したが、道中の争いは見応え十分だった。
さて、“緑カポック”で見事「江戸川初制覇」を達成した中村だが、優勝戦前日のインタビューでは「回り足が良くて、3枠なら優勝もある。ただ、6号艇は面白くないなあ。(展開)待ちのポジションだから…」と話していた。元々、気っ風のいい“自力攻め”を身上としているだけに、九分九厘「他力」になる6コースでは、テンションが上がるはずもなかった。
それでも、「(伸びる5枠の)折下さんはスタートが速いし、期待してます」ともコメントしていた中村は、優勝戦当日に「同期の濱ちゃん(濱崎)が完全Vするか、僕が江戸川初Vできればいいっすね!」と話していた。そして、完全に「漁夫の利」とは言え、難儀なV戦の6号艇で大仕事をやってのけた!
また、中村は特別戦初優出だった前期末の「若松67周年記念」で“準V”と、全国区のG1レースで存在をアピール。その時は“超抜機”の後押しも大きかったが、現在全国で使用されている「出力低減モーター」のレコードタイムホルダー(1’44”2)でもある中村のポテンシャルは高い。この後は一般戦の斡旋が続くが、勢いに乗ると強いタイプだけに、引き続き注目しておきたい選手だ。 |