【優勝】福田雅一(3543・香川)得点率制の5日間シリーズで争われた「東京健康ランドまねきの湯カップ」は、日程通りの12月4日(火)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、2日目から“5連勝”と敵なしだった山口達也が「準完全ペース」の快走でV戦のポールポジションを獲得。その山口達とともに、スロー枠を固めた福田雅一(2号艇)・永井彪也(3号艇)に加えて、6号艇の松田竜馬までもが「オール2連対」で予選を突破するという非常にハイレベルな優出争い(※6位・松田の得点率は8.83)となった。
そして、迎えた最終日の開催は、気温が一気に上昇。それに伴い、季節外れの南風(ホーム追い風)が吹く一日となったが、7R頃から風速が強まってきた。そのため、9R以降は安定板が装着されたが、幸いにも潮回りが風向きと順目の「上げ」基調とあって、強烈な波が出ることはなかった。
ただ、「潮止まり」で迎えたV戦は安全を考慮して、展示1周・本番レースを2周に短縮する措置が取られたが、実際には「うねり」が多少ある程度の水面コンディションでレース開始時刻を迎えられた。
そして、レースの方は、1号艇の山口達がスリットで先行。他艇の攻めを完封して1Mを一気に先マイしたが、その山口はまさかの「F(+0.01)」で戦線を離脱…。その結果、差しに構えていた福田雅と伊藤将吉(4号艇)が繰り上がって、この両者による優勝争いとなった。
続く2Mは「2番差し」の伊藤が渾身の先取りに出たが、冷静なポジショニングから再度「差し」に構えた福田が伊藤を難なく捉えると、2周1Mをノーミスで回して“V”が確定的となった。
2着にはそのまま伊藤が入線したが、「捲り差し」から3番手を走っていた松田を猛追したのは地元の永井。最終2Mでは、松田が2番手を走る伊藤の引き波に乗って膨れたところを逃さず、永井がズバっと差し込んで逆転で3着に入った。
さて、前節(第37回東京スポーツ杯)に続いて、1号艇の選手が「F」に散る波乱の結末となったが、勝った福田は、節目の通算「50V」を達成した2節前の浜名湖に続いて、今年「2回目」の美酒。当地では2006年5月以来、約12年半ぶりの優勝となった。
その福田は、1999年6月の「開設44周年記念」でG1タイトルを獲得している他、当地は今回で通算「7V」を飾っている“江戸川巧者”の一人。ベテランの域に入ってきて、本人は「昔ほど波は乗れなくなったかな」と以前に話していたが、やはり実績のある水面とあって、今節も「潮流」や「風」を読み切ったハンドルワークが光っていた。
また、今シリーズは「何もしていない。チルトの上げ下げだけで行ってます」と、潜在パワー十分の「41号機」に対して全幅の信頼を寄せていた。福田にとって生命線となる「出足」+「回り足」は“完璧”な状態で、最後はF退きによる「恵まれ」ではあったものの、冷静な立ち回りで最高のフィナーレを飾った。
なお、福田だが、前期末の奮闘及ばず、来期(1月1日以降)はA2級降格が確定している。それでも、「A1には届かなかったけど、夏場以降は調子も上がってきた」と気温の低下とともに、着実に復調。派手さはなくても、経験に裏打ちされた「レースの巧さ」は健在で、今期は前期の鬱憤を晴らす“荒稼ぎ”に期待したいところだ! |