【優勝】馬場剛(4769・東京)選手登録から6年未満の新鋭と、オーバーエージ枠で出場した3選手によって争われた「スカパー!・JLC杯ルーキーシリーズ第14戦」は、台風15号の余波で初日の開催(9/9・月)が中止・順延となったが、その後は水面コンディションに恵まれ、予定より1日遅れの9/15(日)に優勝戦が行われた。
なお、初日の選抜戦を制した丸野一樹が随所に“G1ウィナー”らしいレースを披露して、予選をトップクリア。また、地元の馬場剛が2位通過を果たして、丸野とともに5日目の準優1枠を獲得した。
ただ、シリーズを牽引したその両者は、準優戦で明暗が分かれた…。まず、馬場が「11R」を逃げ切って優出一番乗りを果たしたのに対し、丸野(12R)もインから悠々と先行したが、2周2Mの旋回中期で転覆する、まさかのアクシデントに見舞われた。
よって、優勝戦のポールポジションは馬場がゲットした他、佐藤隆太郎(2号艇)・栗城匠(3号艇)・荒井翔伍(6号艇)という東京支部勢がV戦の「4席」を占拠。また、栗城と4号艇の小池哲也にとっては“デビュー初V”も懸かるラストバトルとなった。
そして、「向かい風」に逆目の「上げ潮」が対峙して、ポチャ波が立つ水面コンディションの下で優勝戦が開始となったが、内枠の馬場と佐藤がスリットで先行。中でも、インの馬場は「コンマ10」のトップSをビシッと決めてきた。
注目の1Mは、先マイを果たした馬場に対して、2コースの佐藤が、捲り差しを狙った栗城の差し場を巧妙にブロックしつつ絶妙な「差し」を捻じ込んできたが、続く2Mでは、逆に馬場が佐藤を「差し返し」てホームストレッチに躍り出た。
馬場は、2周1Mでも佐藤の「握りマイ」を凌いで一歩前へ。対する佐藤は、その後も諦めることなく馬場を猛追したが、冷静にミスなく立ち回った馬場が先頭でゴール。佐藤は惜敗の2着で、栗城を捌いた山田祐也(5号艇)が3着に入線した。
さて、佐藤との熱戦を制した馬場は、“デビュー初V”を飾った昨年10月の多摩川以来、自身2回目の優勝。レース後には「(佐藤)隆太郎の方が出ていた。(1Mの)ターンもショボかったし、ギリギリでしたね」と苦笑い。しかし「2Mは珍しく諦めなかった」と集中力を切らすことなく立ち回り、見事栄冠を勝ち獲った!
その馬場は、2017年2月の当地「ルーキーシリーズ」の最終日に妨害失格を犯した際、左腕を骨折。さらには、今節の前検時点での当地通算勝率は「4.04」と水面実績も皆無に近かった。それ故に、普段はクールな馬場も「ケガをした水面での優勝。嬉しいですね!」と喜びに溢れていた。
東都が誇る“S野郎”の馬場は、この直後に三国のプレミアムG1「ヤングダービー」に参戦する。本人は「上(特別戦)で戦うには、ターン力が必要。もう少しターンの練習をします」と現状の課題を口にした。それでも、弾みが付いた状態で臨める大一番。次節も強烈な「スリット攻勢」を繰り出して、全国のボートレースファンにアピールするはずだ! |