【優勝】木下翔太(4659・大阪)4日間の得点率制で争われた「東京健康ランドまねきの湯カップ」は、3日目(11/28・土)の開催が強風高波浪による水面悪化のため、7R以降のレースが中止・打ち切りとなったが、日程通りの29日(日)に最終日の優勝戦が行われた。
なお、シリーズの「2強」に君臨したのは、初日の「江戸川選抜戦」を制した前沢丈史と同2着の木下翔太。この両者が得点率1・2位で予選最終日(3日目)を迎えたが、前沢が予選ラスト(4R)を「3着」で4位に順位を落としたのに対し、出場予定だった11Rが行われなかった木下が1位通過となり、V戦の1号艇を手にした。
その他、強烈な荒水面となった3日目に「別格」の乗りっぷりを見せた片橋幸貴・佐藤大介もベスト6入り。さらに、上々の「伸び足」を誇った中井俊祐と、エース機(51号機)の後押しで手堅くポイントを積み重ねた白井友晴も、6強入りを果たした。
そして迎えた最終日のV戦は、緩やかな「向かい風」の好コンディションでレース開始となり、まずは、4カド発進の前沢がトップS(0.16)を決めてきた。しかし、ジカ内の佐藤(3号艇)を絞り切るには至らず、前沢は「差し」へと変化。その隙に、インの木下がマイペースの旋回で先マイに成功した。
木下は旋回後期でボートをグッと返すと、バック線に向いてからも力強く舟足を伸ばして、逃げ切り態勢を築いた。続く2Mもキッチリと回し切って、早々と「V」を確定的な物にした!
一方の2・3着争いだが、1周1Mで前沢に覗かれながらも外をツケ回った佐藤は膨れ気味になり、前沢・中井(5号艇)が差して好位へ浮上。次の2Mで中井を捌いた前沢がそのまま2着に入線した。
また、3番手航走の中井を猛然と追い上げたのは片橋(2号艇)で、「全速ターン」を連発すると、2周ホームでは中井の前に一旦出たが、3周1Mで差し込んだ中井が再逆転で3着に入った。
さて、優勝戦前日のインタビューで「若いうちに一度、江戸川で優勝したい!」と強い決意を表明していた木下。今シリーズは約2年ぶりの当地参戦だったが、すぐさま水面に適応。さらに、前検日に早々と調整の方向性を掴むと、相棒(24号機)の機歴を遥かに上回る「伸び足」を引き出し、初戦(選抜戦)の時点から早くも「V」を意識させる力強いレースを見せた。
ちなみに、木下は前回戦(2019年1月の63周年記念)こそ、予選3日目に負傷帰郷しているが、それ以前は「3連続優出」と好走。木下自身も「江戸川も波も嫌いじゃないです!」と話し、久々でも当地水面に対する不安は一切なかった。
また、今回の優勝で「江戸川初制覇」と「通算500勝」も達成した木下だが、すでにG2以上の特別戦で「17優出」と、大阪支部でも指折りの「強豪」へと成長を遂げている。この後は、プレミアムG1(若松BBCトーナメント)に続いて、平和島の「SGグランプリシリーズ」にも参戦予定。今や特別タイトルに「一番近い男」とも言える存在だけに、年末の大一番での活躍にも期待したいところだ! |