| 【優勝】佐藤大介(3813・愛知)得点率制で争われた“期末ラスト”の4日間シリーズ「第42回日刊スポーツ杯」は、日程通りの10月31日(水)に最終日の優勝戦が行われた。 V戦のポールポジション(1号艇)を獲得したのは、広島支部期待の成長株・山下流心。2連対率が「16.0%」しかないワースト級の「66号機」とのタッグだったが、予選道中ではスピード感満点の「全速ターン」を幾度となく繰り出し、好レースを連発した。 その他、初日の「江戸川選抜戦」に出場した佐藤大介・山田竜一・村上純、“A2級勝負駆け”を成功させた池上裕次、当地2年ぶりながら抜群の「出足」を武器にポイントをまとめた胡本悟志がベスト6へ駒を進めて来た。 まず、スタート展示では、6号艇の村上が進入でアクションを起こした。前付けでスロー水域を窺ったが、佐藤(2枠)と胡本(3枠)が譲らず「1236/45」という4対2の並びに。よって、レース本番では進入の動向から目が離せない一戦となった。 そして、微風の吹く絶好の水面コンディションの下でピットアウトを迎えたが、村上の前付けに対し、真っ先に抵抗したのは5号艇の池上で、佐藤と胡本もS展示と同様に枠番を死守。その結果、村上はスローの「5コース」も選択できる状況だったが大外に出て、4号艇の山田が5カドに引いた「1235/46」の進入隊形でレース開始となった。 レースの方は、トップS(0.07)で飛び出した「カド受け」の池上が内枠勢を絞り込んだが、こちらも好S(0.09)を決めたインの山下が渾身の先マイを敢行。池上は「捲り差し」に変化したものの、引き波をスムーズに越えられず、結果的に山下と一番差しの佐藤が先行態勢を築いた。 ただ、山下は池上を牽制気味に回ったためターンが若干膨れ、佐藤がバック線の内々から肉薄。続く2Mでは、山下が「全速勝負」に出たが、佐藤は冷静な「併せマイ」で受け止めると、ホームストレッチで足を伸ばし、佐藤の勝利が確定的となった。 なお、山下はツケ回る形から3番手に付けていた山田を、2周1Mで握りマイで振り切り、そのまま2着に入線。山田が3着に入り、3連単の「2-1-4」は1,660円(2番人気)という、終わってみれば本命サイドの決着で終演した。 さて、優勝した佐藤だが、スタートの時点では若干後手(0.18)を踏んでいたが、慌てず騒がず、冷静な「差し」を決めて期末を“V”で締めた。当地ではコンスタントに優出を重ねていたものの、優勝となると久々で、実に2006年12月以来の美酒(約12年ぶり、当地通算3回目)だった。 その佐藤は、前検日時点での勝率が「6.16」で、勝率アップが必須条件となるカツカツの“A1級勝負駆け”に追い込まれていた。それでも、生命線となる「回り足」の仕上がりが序盤から良かったことが大きく、内枠2走だった初日を“連勝”して一気にリズムに乗った。 そして、予選終了時点の勝率は「6.25」まで上昇させ、V戦でも大敗だけは避けたい状況だったが、前日のインタビューでは「A1級は気にせず、優勝だけを狙って頑張ります!」と話し、1着ゴールだけに照準を定めていた。最終的には「A1級キープ」+「優勝」をダブルで成し遂げ、佐藤にとってはこの上ない最高のフィナーレとなった。 最後に、惜しくも“初優出&初V”の快挙を逃してしまった山下の健闘も称えたい。目標としていた“A2級昇格”も来期へ持ち越しとなってしまったが、勝率は「3.90」から「5.37」へ一気に上昇。潜在能力は高く、「江戸川は大好き!」と言う気鋭の次回参戦も非常に楽しみだ! |