【優勝】繁野谷圭介(3915・大阪)「第13回日本写真判定社長杯」の優勝戦は、10メートルを超える南の追い風が吹き荒れる中、安定板装着でレースが行なわれた。 まずは、一番人気に推された1号艇の北川幸典が先マイするも、折からの追い風でやや流れ気味のターンとなり、3コース発進の繁野谷圭介が(一つ内の河村了を抑え込む)絶妙な“捲り差し”を決めて先頭を奪取。そのまま押し切って優勝した。 次位争いは、イン残した北川幸と2コースから差し粘った河村了の両者で手に汗握るデットヒートが繰り広げられたが、河村がラストの2Mで北川幸を振り切って、大接戦の2着競りを制した。 繁野谷は(静水面の住之江育ちだが)波乗りは滅法得意で、若い頃から当地水面との相性は抜群。ただ、過去11回の優出で優勝はゼロ(準優勝は4回)と、ここまでは後一歩のところで勝ち運に見放されていたが、遂に12回目のファイナル進出で、念願の江戸川初Vを飾った。 A1戦士の中でスタートは慎重なタイプの繁野谷だが、それを補って余りあるスピードと捌きを兼ね備えている。層の厚い大阪支部ではやや地味に見られがちだが、秘めたるポテンシャルの高さを存分に見せつけたシリーズとなった。 一方、波巧者の北川幸に競り勝って2着の河村も、今節の走りは賞賛に値する。本来は“柔”のタイプで、展開に応じた丁寧なハンドルを身上としているが、今回は“剛”の走りで伸び型にこだわった。レース後の本人も「収穫が多い一節でした」と納得の晴れやかな表情だった。戦法のオプションを広げ、今後は一皮剥けたレースを見せてくれそうで、早くも次回の当地参戦が楽しみだ。 |